山での炊飯について まずはじめに富士山で調理をするために少しお勉強をしましょう |
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Q1,圧力釜を使うとなぜお米がはやくたけるの? 魚の骨まで柔らかく煮ることができるのはなぜ? |
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A1、 圧力釜は、大気圧以上の圧力を加え、 封入した液体の沸点を高めることで食材を通常より高い温度と圧力の下、 短時間で調理をすることができる。 水の沸点は圧力が高くなるにつれて上昇するため、 圧力鍋の内部の温度は沸騰の前であっても100℃以上となる。 この高温により食材を構成する分子の運動が加速され、 早く熱分解して調理することが可能となる。 またこういった圧力加熱によって短時間で魚の骨も やわらかく煮ることができる。 |
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圧力釜は、本体とフタをぴったりと密着させ、 空気を閉じ込めて加熱することで、釜の中の圧力が 約2気圧ぐらいまで高くなり、その時の沸騰する温度は約120℃にもなる。 このような高温で調理するため、どんなものでも早く火が通り、 柔らかく仕上がる。 |
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Q2,富士山頂で通常の電気炊飯器でお米を炊くとなぜ生煮え(芯入りご飯)にな ってしまうの? |
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A2, 私たちが日常暮らしている場所は約1気圧で、水が沸騰する温度は 約100℃である、しかしそれが富士山の頂上だと約90℃という低い温度で 沸騰してしまう。なぜなら富士山頂では、気圧が約0.65気圧にまで 下がっているからである。こういった気圧の違いから沸点が変化するため、 富士山頂で通常の電気炊飯器で米を炊くと早い段階で沸騰が起こり、 生煮えになるのである。 |
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そのため、ご飯を炊いたり、ラーメンを作ってもよく煮えないので おいしく作れない。 |
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Q3,高い山では水の沸点が低いと言うけれど・・・ 富士山やエベレストの頂上では、どれ位の温度で水は沸騰するのですか? 逆に気圧を上げたら、際限なく沸点も上昇するのですか。 |
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A3, まず標高の高いところではどのくらい沸点が下がるのか? 理科年表によると、2800mの標準大気圧が719.1 mb(ミリバール)で、 これを水銀柱単位mmHgに換算して約540.7mmHgの圧力(p)となります。 沸点は下記換算式で求められます。 沸点=100+0.0367(p-760)-0.000023(p-760)(p-760) 計算ミスがなければ標高2800mにおける水の沸点は約90.8℃となります。 何で2800mかというと、このテーマを戴いた方が コロラドにお住まいだからで、その標高が2850mらしいのです。 参考までに富士山の頂上では沸点は約88℃。 我々が住む環境に対して、約10℃の温度差があることがわかりました。 ちなみに、エベレストでは70℃くらいです。 圧力鍋を使えば、沸点は上がりますよ。 |
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Q4,富士山で登山用バーナーを使って調理したい。 |
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A4,自然公園法により国立公園の特別保護地区では 「火入れ又はたき火をすること」は環境大臣の許可が必要ということ なので、『建前上』はダメなのだと思われます。 それよりも、特に最初の富士登山ではできるだけ 荷物を減らすことが大事です。 調理するほどの重装備で登るのは論外ですが、 もし、小型コンロでお湯を沸かして飲むにしても、山小屋のそばでは、 燃料用の軽油やガスボンベが置いてありますから、 引火を避ける意味でも止めるべきだと思います。 |
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富士山頂の気圧は、平地が約1,000 ミリバールとすると、 630ミリバールと約3分の2程度しかありません。 頂上へきて缶ビールで乾杯しようとするとほとんど泡になって 吹き出してしまうとか、料理しようとしても87℃で お湯が沸騰してしまうので美味しく調理できないとか、 高地ならではの現象に驚かされることもあります。 |
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Q5,富士山でストーブっているの? |
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A5,山頂に登ってホッとしたときに、一番欲しくなんのは『温かい飲み物』。 確かに富士山には山頂でも山小屋がいくつかありますが、 早朝の相当な混雑などを考えると暖を取るのは難しいかも。 とりあえずバーナーとカートリッジ、あと耐熱性のマグカップ。 五徳が付いたバーナーは出力をよく見るように。 3600kcal/hぐらいはあった方がいいです。 |
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五徳の形やコンパクトな収納スタイルによってもモデルは変わるみたいです。 |
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気体は高温だと膨張し、低温では収縮します。 そしてガスカートリッジに入っているLPガスは加圧すると 気体から液体になります。 |
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カートリッジにはLPガスは液体で入っていますが、 LPガスは気体で初めて燃料として機能します。 カートリッジから解放されることで、ガスは液体から気体に 変わるわけですね。ところが、気温がとても低かったり、 カートリッジが冷え切ったりしていると ガスは気体に変わりませんから、燃料として使えないわけです。 ノーマルタイプは普通の場所なら問題ないんだけど、 富士山頂みたいな寒いところじゃすぐ温度の影響を受けるわけ。 でもハイパワータイプは熱を遮断する繊維の内張がカートリッジ内に 施されているから、気温の影響を受けない。 |
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そういうわけで3,600kcal/hの出力を持つバーナーとハイパワーの ガスカートリッジ、それに傷に強いチタン製の加熱可能マグカップを。 |
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富士山に登るためには必需品、てものでもありませんが、 皆さまもご参考にしていただければと思います。 |
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そこでお勧めなのが米を研がずに簡単炊飯 <不思議なめし袋・お袋のワザ> 米研ぎ不要、火加減・水加減も不要で お米が炊けるその名も「不思議なめし袋」。 避難所で過ごさず自宅で炊事をする際、 不便な環境でも使える優れモノだそうで。 災害時以外にも時間を節約したいソロキャンプでも役立ちそう。 高地でも芯が残らない。 (山では30分ぐらい とろ火で沸騰させている) 一袋が一食分(2/3合、1/2合 の調整が出来る) ポリエステル不織布で燃やしても有害なガスは発生しない。 等の魅力がある。
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「不思議なめし袋」のデータ・個人的評価
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昔から ある 米炊きアイデアグッツ。
<不思議な 米炊き袋>
ユニフレーム 不思議なめし袋
何しろ失敗が無い。 根強いファンが多い。
水にも漬けず すぐ炊いてしまう
原理的には、「米ぬか」は水が沸騰すると袋の隙間から外に出る。
ぬかは後戻りできないでどんどん外に出る。
蒸し米のように袋の中に蒸気が入り続ける。蒸し米の原理。
許容量一杯まで膨らむので、余分な水が含まれずうまく炊ける。
チタンの鍋を使うようになって米をどうやって炊くか考えた。
鍋底に<アルミ箔>や<焼き網>を入れて熱を分散させたりしたが今ひとつ。
このめし袋は鍋と直接米が触れないのでうまくいく。
山で米がどうしても欲しい。
1泊ぐらいならラーメンとパンでも何とかなるがそれ以上の時はやはり「米」
レトルトご飯の業界標準「佐藤のご飯」もよい。
失敗も無く本体ごとゆがいてできる。
当方もこれを使うことが多い。
初めから重いのが唯一の難点か。
アルファー米は、今でも体が<イヤイヤ>している。
→最近おいしくなったそうで?
この「めし袋」同様の原理の米炊きでプラスチックでの円柱の物もある。
これは空のまま運ぶので場所をとることと一度に2人分出来ない事
また現地で米の量を測る事などがあり死蔵した。
トランピング(ゆったり歩くトレッキングでも良い)の時のゆっくりとした昼飯。
シビアーな登山の緊急用としては軽くてよい予備食。
普通の山でも米が足りなくなりそうな時の予備にも良い。
本来は袋の口を串で留めるのだが当方ホッチキスで止めて運搬。
<ほとんど米の重さ>だけとなる。
また一袋が2/3合と一食分は都合がよい。
家族でのオートキャンプでも原則飯ごうで炊くものの
4袋は持って行く。使わなければまた元に戻すだけ。
10分蒸せば 出来上がり
水が飲料水まで綺麗でなくとも良いと言う人もいる。
(水蒸気で蒸す形となっているからだが、、、)
あらかじめ水に漬ける必要がないのがとてもよい。
作った後食べなくとも後で同様の加熱を
10分ぐらいもう一度お湯に入れればおいしく食べられる。
(写真のように袋を切らないでスプーンで出して食べると
残った米もまた口を止めてからボイルできる)
火加減の必要が無く気を使わないで作れる。(失敗しない)
余った(湯がいた)水をもったいないと
「ご飯がすすむ君」なる味の濃い目の料理に使う猛者もいる。
ということで・・・富士山でご飯を炊こうとしている皆様・・・がんばって下さいね。
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